直腸潰瘍について
直腸潰瘍とは、直腸の粘膜が炎症を起こし、潰瘍(傷や欠損)ができる病状です。直腸は大腸の最も下部に位置し、排便に関与する重要な部分です。直腸潰瘍は、炎症性腸疾患(例えば潰瘍性大腸炎やクローン病)や、薬剤性、感染症、ストレスなどさまざまな要因で発生します。
直腸潰瘍は、進行すると排便困難や出血を引き起こす可能性があり、放置せずに早期に診断・治療を行うことが大切です。
直腸潰瘍の原因
- 潰瘍性大腸炎:大腸の内側が慢性的に炎症を起こす疾患で、特に直腸に潰瘍ができやすいです。
- クローン病:消化管の任意の部位に炎症が生じる病気で、直腸にも影響を与えることがあります。
- 薬剤性:非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)や抗生物質などが直腸の粘膜に障害を与えることがあります。
- 感染症:細菌やウイルス(例:サルモネラや大腸菌)の感染によって炎症が起こることがあります。
- ストレスや過度の飲酒:生活習慣の乱れが原因で、直腸に炎症が生じることがあります。
直腸潰瘍の症状
- 血便(鮮血や黒い便):潰瘍が出血し、便に血が混じることがあります。
- 腹痛や不快感:特に排便時に痛みを感じることがあります。
- 下痢:潰瘍により、大腸の正常な機能が損なわれ、頻繁な下痢が見られることがあります。
- 便意が頻繁:直腸に潰瘍があると、便意が強く感じられることがあります。
- 体重減少や疲れやすさ:慢性化すると、全身に影響を与え、体調が悪くなることがあります。
診断と治療
- 内視鏡検査(直腸内視鏡・大腸カメラ):潰瘍の状態を直接確認し、必要に応じて組織を採取して病理検査を行います。
- 薬物療法:潰瘍性大腸炎やクローン病の場合、抗炎症薬や免疫抑制薬、止血剤、抗菌薬などを使用します。
- 生活習慣の改善:ストレスを減らし、食事内容の改善などを行います。
- 外科的治療:治療が難しい場合や重度の場合には、手術による切除が検討されます。
当院での対応
- 内視鏡検査(大腸カメラ):直腸の粘膜を直接観察し、潰瘍の範囲や状態を確認します。
- 治療:症状や原因に応じて、薬物治療や生活習慣の指導を行い、適切な治療計画を立てます。
このような方はご相談ください
- 便に血が混じることがある
- 排便時に直腸付近に痛みを感じる
- 慢性的な下痢や便秘を繰り返す
- ストレスが多い生活を送っている
- 既に潰瘍性大腸炎やクローン病と診断されている
直腸潰瘍は早期の発見と適切な治療が重要です。
気になる症状がある場合は、早めに内視鏡検査を受けることをお勧めします。
当クリニックでは、専門的な診断と治療を行い、患者様の生活の質の向上をサポートいたします。