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食道裂孔ヘルニア

食道裂孔(れっこう)ヘルニアとは?

食道裂孔ヘルニアとは、胃の一部が本来あるべきお腹側(腹腔)から、胸の方(胸腔)へとはみ出してしまう状態のことです。
胃と食道は横隔膜という筋肉を通してつながっていますが、その通り道(食道裂孔)が緩んでしまうと、胃が上にズレてしまうことがあります。これが「食道裂孔ヘルニア」です。

どんな症状があるの?

食道裂孔ヘルニアそのものは無症状のこともありますが、胃酸が逆流しやすくなるため、以下のような症状を引き起こすことがあります

  • 胸やけ
  • 酸っぱいものが上がってくる(呑酸)
  • のどの違和感
  • 胃もた・げっぷ
  • 仰向けになると悪化する症状

なぜ起こるの?

以下のような要因が関係しているといわれています。

  • 加齢による筋力の低下(特に60代以降に多い)
  • 肥満
  • 妊娠・腹圧の上昇
  • 慢性的な咳や便秘
  • 遺伝的な体質

放っておいても大丈夫?

軽度のものは、生活に支障がなければ経過観察することもありますが、重度になると胃酸逆流が強くなり、逆流性食道炎やバレット食道を引き起こすリスクもあるため注意が必要です。

診断と治療は?

診断は、胃カメラ検査(上部内視鏡)で明確に確認することができます。
治療としては、次のような方法があります。

  • 薬物療法:胃酸を抑える薬(PPIなど)で症状をコントロール
  • 生活習慣の見直し:食事・体重管理・寝る姿勢の工夫など
  • 手術:薬で改善しない重症例に対して行われることもあります(当院では専門施設をご紹介します)

当院の取り組み

当院では、逆流症状や胸やけでお困りの方に対し、食道裂孔ヘルニアの有無も含めて、丁寧な内視鏡検査を行っております。
「市販薬で一時的に良くなっても、すぐぶり返す」という方は、一度しっかりと検査を受けてみることをおすすめします。