慢性胃炎・萎縮性胃炎

こんな症状に
心当たりありませんか?

こんな症状に心当たりありませんか?

以下のような症状が続いている場合には、慢性胃炎や萎縮性胃炎の可能性があります。

  • 胃、みぞおちの痛み
  • 胃もたれ、不快感
  • 吐き気、食欲不振
  • 膨満感

どれも身近な症状であり、数日で治まるものでしたら基本的には問題ありません。しかし、何週間も続く場合には、お早めに当院にご相談ください。

慢性胃炎
(萎縮性胃炎)とは

慢性胃炎とは、胃炎によって胃の痛みなどの胃の不快感、吐き気、食欲不振などを伴いながら、はっきりとした原因疾患がない状態を指します。
急性胃炎のような明確な症状に乏しく見逃されてしまいがちですが、放置していると胃粘膜が薄く痩せてしまう「萎縮性胃炎」へと進行します。

萎縮性胃炎

長期にわたる炎症によって、胃の粘膜が薄く痩せてしまった状態です。
萎縮性胃炎をさらに放置していると、胃の粘膜が腸の粘膜のように変性する「腸上皮化症」を起こし、そのうちの一部ががん化するおそれがあります。
つまり、慢性胃炎の段階で適切な治療を行うことが、胃がんのリスクを下げることにつながると言えます。症状が軽くても、何週間も続く場合には、その時点で医療機関を受診されることをおすすめします。

ピロリ菌感染が
慢性胃炎の原因!?

慢性胃炎の場合

ピロリ菌感染

ピロリ菌感染慢性胃炎の原因のほとんどを占めるのが、ピロリ菌(ヘリコバクターピロリ)の持続感染と言われています。ピロリ菌によって粘膜が傷つけられることで、慢性的な胃炎を引き起こします。
当院では、ピロリ菌の検査および除菌治療を行っております。

非ステロイド性抗炎症薬の副作用

医療の場でごく一般的に使用されている非ステロイド性抗炎症剤も、慢性胃炎の原因となります。薬を飲み始めてすぐに症状が出たという場合には、その薬の副作用を疑います。

萎縮性胃炎の場合

長期間の慢性胃炎

萎縮性胃炎の原因は、慢性胃炎の放置です。慢性胃炎を長期にわたって放置していることで、胃の粘膜が薄く痩せてしまい、萎縮性胃炎となります。

慢性胃炎を放置すると
胃がんになるリスク・確率

慢性胃炎を放置していると萎縮性胃炎となり、さらに放置していると腸上皮化症が起こり、その一部ががん化する、ということから、慢性胃炎を甘く見てはいけないということが分かります。
また、そもそもの慢性胃炎の原因を取り除いておくことがとても大切になります。慢性胃炎の最大の原因となるピロリ菌感染がある人のうち、約0.3%が胃がんを発症すると言われています(胃・十二指腸潰瘍は約5%)。
ピロリ菌検査を受けたことがない人、ご家族の誰かがピロリ菌検査で陽性であった人は、無症状であってもピロリ菌の検査、そして必要に応じて除菌治療を受けることをおすすめします。

検査・診断

慢性胃炎・萎縮性胃炎 検査まず問診では、症状の種類、いつから症状が現れたか、最近の食生活の状況、服用中のお薬、既往歴・家族歴などについてお伺いします。
その上で、必要に応じて胃カメラ検査を行い、診断します。当院では、胃カメラ検査の際にピロリ菌検査を行うことも可能です。

治療

慢性胃炎の治療では、薬物療法やピロリ菌の除菌治療、生活習慣指導などを行います。

薬物療法

胃酸の分泌を抑える薬、胃の粘膜を保護する薬などを使用します。

ピロリ菌の除菌

ピロリ菌検査で陽性だった場合には、ピロリ菌の除菌治療を行います。
胃カメラ検査で慢性胃炎と診断された場合には、検査・治療ともに保険診療となります。
※その他、胃・十二指腸潰瘍、胃MALTリンパ腫、免疫性(特発性)血小板減少性紫斑病、早期胃がんの内視鏡的治療の後なども保険適用となります。

生活習慣の改善

食べ過ぎ・飲み過ぎ、刺激物の摂り過ぎなどがある場合には、その改善のための指導を行います。

慢性胃炎の時に
どんな食事がいい?

慢性胃炎は、通常急性胃炎ほど強く症状が現れません。
しかし、炎症によって胃が弱っている状態であることには変わりません。食事面では、以下のような点に気をつけましょう。

食べ方

1日3食を、できるだけ決まった時間帯に摂るようにしましょう。
食べ過ぎ、飲み過ぎ、早食いは避け、よく噛むことで胃の負担を軽減してください。

食べ物・飲み物

脂っこいもの、辛いもの、カフェイン入り飲料、アルコール、炭酸飲料など、胃へと負担をかけてしまうものはできるだけ避けてください。
ご飯やお粥、うどん、白身魚、刺身、野菜・果物などがおすすめです。肉は、脂身の少ないものを選びましょう。

料理方法

油を使った調理法(炒める・揚げる)は、なるべく控えてください。
煮る・蒸す・茹でるといった、油を使わない調理法がおすすめです。