小腸腫瘍(良性・悪性)とは?
小腸腫瘍とは、小腸にできる“できもの”のことで、「良性腫瘍(がんではない)」と「悪性腫瘍(がん)」に分けられます。
小腸は胃と大腸の間にある消化管で、栄養の吸収を担う大切な臓器ですが、腫瘍ができる頻度は少なく、見つけにくい病変のひとつです。
小腸腫瘍の種類
良性腫瘍
- 腺腫:ポリープ状の腫瘍で、大きくなると出血やがん化の可能性もあります。
- 脂肪腫、平滑筋腫など:通常は良性ですが、まれに症状を引き起こすことがあります。
悪性腫瘍
- 小腸腺がん:小腸の粘膜から発生するがん。
- GIST(消化管間質腫瘍):粘膜の下から発生する腫瘍で、出血や腸閉塞の原因となることも。
- 悪性リンパ腫:免疫細胞ががん化したもので、腹痛や貧血を伴います。
小腸腫瘍の主な症状
初期には症状が出にくく、次のようなサインで発見されることがあります:
- 原因不明の黒色便(タール便)や血便
- 貧血(立ちくらみ・息切れ・疲労感)
- 腹部不快感や腹痛
- 体重減少、食欲低下
- 便潜血検査で陽性が続く
当院での対応と検査の流れ
当院では、上部(胃・十二指腸)および下部(大腸)までの内視鏡検査を行っております。
まずは、以下のステップで腫瘍の有無や出血源の評価を行います。
- 胃カメラ(上部内視鏡)で食道・胃・十二指腸を観察
- 大腸カメラ(下部内視鏡)で大腸の全体を観察
- これらで異常が見つからない場合、小腸腫瘍の可能性を検討します
小腸腫瘍が疑われる場合は
小腸腫瘍が疑われるときには、以下のような専門的な検査が必要になります:
- カプセル内視鏡:小型カメラを飲み込み、小腸全体を画像で確認
- 小腸内視鏡(バルーン内視鏡):腫瘍の観察や生検、止血処置などが可能
- CT検査・MRI:腫瘍の位置や広がりの把握に有用
※当院ではこれらの小腸検査は行っておりませんが、小腸の精密検査が可能な連携医療機関へのご紹介を随時行っております。
まとめ
小腸腫瘍は「見つけにくいけれど、見逃せない病変」です。
当院では、まず胃カメラ・大腸カメラで消化管の出血や病変の有無を確認し、必要に応じて専門施設と連携しながら診療を進めてまいります。
便潜血陽性が続いている方、原因のはっきりしない貧血や黒い便がある方は、まずはお気軽にご相談ください。