腹部膨満感
(お腹の張り)

腹部の膨満感、快便なのに
お腹が張っている

腹部の膨満感、快便なのにお腹が張っている腹部膨満感とは、「お腹が張って苦しいという状態」のことを指します。食べ過ぎた時にこの症状に見舞われたことがあるという方も多いのではないでしょうか。
腹部膨満感は、胃腸の調子が悪かったり、お腹にガスが溜まったりした時にも見られる症状です。ある日に食べ過ぎて次の日には解消されるようなものであれば特に問題ありませんが、何日も続く場合や、腹痛や便秘・血便といった他の症状を伴う場合には、何らかの疾患が原因になっている可能性があります。また、快便なのに腹部膨満感がある、残便感があるといった場合も注意が必要です。
腹部膨満感が気になる時には、お早めに当院にご相談ください。

どんな腹部膨満感?
症状チェック

腹部膨満感のことを「お腹が張って苦しい状態」と説明しましたが、人によって感じ方には差があります。

どんな腹部膨満感?症状チェック
  • 苦しいほどではないがお腹が張っている
  • お腹の張りと、腹痛がある
  • お腹がグルグルとよく鳴り、ガスや便が出そうな感じが続く
  • 食事をするとすぐにお腹が張り、必要な量を食べられない

上記のような症状がございましたら、腹部膨満感と捉え、何日も続く場合には受診するようにしてください。

腹部膨満感の症状・特徴・環境を確認してみましょう

受診の際には、以下のような点をお伝えいただければ、検査の選択や診断に役立ちます。

  • どんな時に症状が出るか(空腹時・食後など)
  • 症状がどれくらい続くか
  • 排便によって軽減するか
  • 腹部膨満感以外の症状はあるか
  • 服用している薬はあるか
  • 妊娠の可能性があるか

服用中のお薬がある場合には、お薬手帳をお持ちください。

おならが異常に
でる、お腹のガス

おならが異常にでる、お腹のガス腹部膨満感としばしば併発する症状に、おならがあります。
おならの回数が異常に多い(以前より増えた)、食べているものは変わらないのにひどく臭うといった場合には、何らかの疾患が原因になっている可能性があります。
おならは、以下のような経過を経て発生します。

飲食の時に空気を飲み込む・無意識に空気を飲み込む

食べたり飲んだりする時には、多少の空気を飲み込んでいます。中でも早食いをする人は、空気をたくさん飲み込んでいると言われています。また、緊張した時などには無意識に空気を飲み込んでしまうことがあります。
飲み込む空気の量が多くなれば、おならが増える原因となります。ゲップとして吐き出されることもあります。

消化の過程で発生する

消化の際には、物質を分解する化学反応が起こっており、そこで発生した気体がガスとなり、肛門から出るとおならとなります。腸内細菌叢のバランスが崩れた時には、ガスが多量に発生し、臭いもきつくなる傾向にあります。

腹部膨満感を
伴う疾患・原因

腹部膨満感の原因となる疾患には、以下のようなものがあります。

過敏性腸症候群

腹痛と共に下痢や便秘を伴う病気です。20~30代の若い世代での発症が目立ちます。下痢型・便秘型・混合型があり、腹部膨満感が出やすいのが便秘型です。混合型では下痢と便秘が繰り返されるため、便秘の期間はやはり腹部膨満感も起こりやすくなります。

炎症性腸疾患

免疫機構の異常によって、腸などの消化管での炎症を引き起こす病気です。
炎症性腸疾患は、潰瘍性大腸炎とクローン病に分けられ、どちらも厚生労働省より難病の指定を受けています。腹痛、下痢、血便、発熱、体重減少などの症状に加え、腹部膨満感が見られることがあります。
クローン病の場合には、大腸以外の小腸、その他口腔から肛門までの全消化管で症状が起こり得ます。

大腸がん

初期には症状に乏しいものの、進行すると血便、腹痛、腹部膨満感、下痢、便秘、残便感などの症状が現れます。
40代から徐々に発症率が高くなり、50代では急激な上昇が見られます。食生活の乱れや遺伝、飲酒・喫煙などが主な原因となります。

急性胃腸炎

ウイルスや細菌の感染、薬の副作用などを原因として胃腸で起こる急性の炎症です。
吐き気・嘔吐、発熱、腹痛、下痢、腹部膨満感、食欲不振などの症状を伴います。嘔吐や下痢がある場合には、脱水症状にも注意が必要です。

機能性ディスペプシア

胃カメラ検査などでは器質的な異常が認められないにも関わらず、胃もたれや胃の痛みなどの症状が続く病気です。その他、食欲不振や腹部膨満感、吐き気、ゲップなどの症状が見られます。

卵巣腫瘍

卵巣に生じる良性・悪性の腫瘍の総称です。
初期は症状が乏しいものの、進行すると腹痛、腰痛、腹部膨満感、頻尿、便秘、しこりなどの症状が見られるようになります。

上腸間膜動脈症候群

十二指腸から小腸にかけて存在する「上腸間膜動脈」という血管が十二指腸を圧迫し、内容物の通過障害が生じている状態です。上腸間膜動脈と十二指腸の間にありクッションの役割を果たしている脂肪が、急激な体重減少などによって少なくなることを主な原因とします。
腹部膨満感や腹痛、胃もたれなどの症状を伴います。

腹部膨満感の
ある方に行う検査

症状、食習慣を中心とした生活習慣、服用中の薬、既往歴などをお伺いした上で、必要な検査を行います。
当院では、血液検査、便潜血検査、腹部レントゲン検査などの基本的な検査に加え、胃カメラ検査や大腸カメラ検査にも対応しています。肝臓や膵臓など、消化管以外の疾患が疑われる場合には、超音波検査を行うこともあります。

腹部膨満感を改善・予防

腹部膨満感を改善する方法についてご紹介します。ただし、これらの方法で改善できるのは病的ではない腹部膨満感です。試してみても改善しない、他にも症状があるという場合には、お早めに当院にご相談ください。

食べ過ぎ・飲み過ぎを控えた栄養バランスの良い食事

暴飲暴食、消化の悪いもの(脂身の多い肉・揚げ物・甘いお菓子・繊維の多い野菜・きのこ類)の摂り過ぎは、いずれも腹部膨満感の原因となるため、避けましょう。
ヨーグルト、海藻類、発酵食品などを食事に取り入れ、腸内細菌叢を整えるのも大切です。

規則正しい生活・ストレス解消・十分な睡眠

生活リズムの乱れ、ストレス、睡眠不足はいずれも自律神経のバランスを乱し、胃腸の働きを低下させます。
これらを改善し自律神経のバランスを整えることで、消化がスムーズになることが期待できます。

適度な運動習慣

適度な運動習慣は、胃腸への良い刺激となり、その働きを助けます。
ストレスの解消にも役立ちます。ウォーキングやストレッチなど、負荷の軽いもので構いませんので、日ごろから運動をする習慣を身につけましょう。

お腹の張り・膨満感の
ある方は当院へご相談を

お腹の張り・膨満感のある方は当院へご相談を腹部膨満感は、程度によっては常に苦しい感じが続き、QOLを低下させます。また、大腸や胃の病気、婦人科疾患が原因になっていることもあります。
食習慣や生活習慣を改善しても腹部膨満感が治まらない、他にも症状があるといった場合には、お早めに当院にご相談ください。当院では、必要に応じて胃カメラ検査や大腸カメラ検査を行うことも可能です。苦痛の少ない内視鏡検査を提供できる体制を整えておりますので、どうぞご安心ください。