食道静脈瘤とは?
食道静脈瘤とは、食道の壁の中にある静脈が、異常にふくれてこぶのようになった状態のことをいいます。
この状態は、主に「肝硬変」などの重い肝臓病が原因で起こります。肝臓に血液が流れにくくなると、血液が別の道(食道の静脈など)に流れ込み、静脈がパンパンにふくれてしまうのです。
なぜ怖い病気なの?
食道静脈瘤の一番のリスクは、「破裂して大出血を起こすこと」です。
- 出血すると、吐血や下血、ショック状態に陥ることもあり、命にかかわることもあります。
- 特に、瘤(こぶ)が大きくなっていたり、粘膜が弱くなっていると破裂の危険が高まります。
症状はあるの?
食道静脈瘤は、破裂するまではほとんど自覚症状がありません。
そのため、「肝硬変がある」「C型肝炎などの既往がある」方は、定期的な内視鏡検査がとても大切になります。
診断と治療について
当院では、胃カメラ(上部内視鏡)で正確に診断を行います。
必要に応じて、以下のような治療を行います(または専門病院と連携します)
- 内視鏡的硬化療法(EIS):瘤に薬を注射して固める治療
- 内視鏡的結紮術(EVL):ゴム輪で瘤を縛ってつぶす治療
- 薬物治療:再発や出血予防のための薬の処方
当院の対応
当院では、肝硬変や慢性肝疾患のある患者さまに対し、定期的な内視鏡検査を通じて、食道静脈瘤の早期発見と予防的治療を行っています。
「肝臓の病気があると言われたことがある」「過去にC型肝炎の治療を受けた」など心当たりのある方は、一度ご相談ください。