食道異所性胃粘膜とは?
食道異所性胃粘膜(いしょせいいねんまく)とは、食道の粘膜の一部に、本来胃にあるはずの“胃の粘膜”が存在している状態です。
多くの場合、食道の一番上(喉に近い部分)に見られ、内視鏡検査中にピンク色の斑点のように発見されます。
なぜできるの?
はっきりとした原因はわかっていませんが、先天的な発育の過程で胃の粘膜の一部が食道に残ってしまったと考えられています。
つまり、生まれつき持っている方が多く、成人になって偶然見つかることがほとんどです。
どんな症状があるの?
多くの人は無症状ですが、胃粘膜から分泌される胃酸が原因で、以下のような症状を起こすこともあります。
- のどの違和感、つかえ感
- 咳や声がれ(咽喉頭への刺激)
- 逆流症状に似た胸やけ
ただし、症状があっても、直接的な関連がはっきりしない場合も多くあります。
放っておいても大丈夫?
基本的には良性の所見であり、すぐに治療が必要になることはまれです。
ただし、まれに粘膜の炎症や潰瘍、腺腫やがんの発生が報告されているため、年1回程度の内視鏡フォローが推奨される場合があります。
診断と検査について
胃カメラ(上部内視鏡)での観察により発見されます。
必要に応じて、組織を一部採取(生検)して詳しく調べることもあります。
当院の対応について
当院では、食道異所性胃粘膜を含む食道・胃の異常を丁寧に観察・記録する内視鏡検査を行っています。
「のどの違和感が続く」「咳や声がれが気になる」「以前、異所性粘膜があると言われた」など、気になる症状がある方は、お気軽にご相談ください。