軟便・下痢

軟便や下痢が続く…
通常の便とは

軟便や下痢が続く…通常の便とは一般に、「黄褐色のバナナ状もしくは半練り状で、においが少なく、するりと出るもの」が“健康的な便”とされています。
それより柔らかい、形の曖昧な軟便、あるいは下痢が続く場合には、何らかの疾患が背景に隠れていることがあります。

軟便と下痢は
どのように区別する?

軟便とは、やわらかく形が曖昧な便のことを指します。そして下痢は、形が完全に崩れ、液体状の便のことを指します。
数字で言うと、水分量が80~90%であるものが軟便、90%以上であるものが下痢と区別されますが、いずれの場合も便の異常が起こっていることには変わりありませんので、続く場合にはお早めにご相談ください。

2、3日(数日)
軟便・下痢の原因・疾患

数日間で治まる軟便や下痢の場合には、以下のような原因が考えられます。安静や薬物療法、服用中の薬の変更などによって、比較的短期間で改善が可能です。

暴飲暴食、食あたり

食べ過ぎや飲み過ぎは、軟便・下痢の原因としてもっともよく見られます。
食あたりの場合には、ひどい下痢に見舞われることもあります。

感染性胃腸炎

ウイルスや細菌に感染し、胃腸で炎症を起こしています。軟便や下痢が続くため、脱水にも気をつけなければなりません。

薬の副作用

薬の副作用として軟便や下痢が生じることがあります。
通常、薬の服用をやめると間もなく治まりますが、自己判断ではなく必ず医師に相談するようにしましょう。

1ヶ月以上(数週間)
軟便・下痢の原因・疾患

長く続く軟便・下痢の原因には、以下のようなものが考えられます。食事に気をつけているのに軟便・下痢が続くという場合には、お早めにご相談ください。

過敏性腸症候群

腹痛などの腹部の不快感とともに、下痢や便秘といった症状を伴う病気です。はっきりとした原因は解明されていませんが、ストレスによる腸の働きの低下が影響しているとの指摘があります。
下痢型・便秘型・混合型があり、混合型では下痢と便秘が交互に繰り返されます。

クローン病

炎症性腸疾患に分類される、小腸・大腸を中心とした消化管全般に発症する難病です。症状としては、腹痛や軟便・下痢、発熱、体重減少、全身倦怠感などが挙げられます。
はっきりとした原因は分かっていませんが、適切な治療により症状をコントロールすることが可能です。

潰瘍性大腸炎

クローン病とともに、炎症性腸疾患に分類され、難病の指定を受けています。潰瘍性大腸炎の場合は、大腸のみに腹痛、軟便・下痢、血便・粘血便、発熱、体重減少などの症状が見られます。

感染性胃腸炎

ウイルスや細菌、原虫などに感染し、胃腸で炎症を起こしています。
軟便や下痢が続くため、脱水にも気をつけなければなりません。

大腸がん

40代から患者数が増え始める、初期症状の少ないがんです。ほとんどの大腸がんは、大腸ポリープががん化して発症します。
ある程度進行すると腹痛や腹部膨満感、軟便・下痢、便秘、血便などの症状が現れます。

続く軟便・下痢の
方に行う検査

続く軟便・下痢の方に行う検査 大腸カメラ検査問診の上、大腸の疾患が疑われる場合には、大腸カメラ検査を行います。
肛門からスコープを挿入し、大腸全体の粘膜を観察します。疑わしい病変を発見した場合には、組織を採取し病理検査を行うことも可能です。また、がん化のおそれのある大腸ポリープを発見した場合には、その場での切除が可能です。
ウイルス性胃腸炎が疑われる場合には、便を採取し迅速検査を行うこともあります。
その他、血液検査、尿検査などが必要になることがあります。

軟便・下痢がある場合は
当院へご相談を

軟便・下痢がある場合は当院へご相談を飲み過ぎ、夏に冷たいものを摂り過ぎたといった明らかな原因があり、すぐに治まる軟便や下痢であれば、それほど心配はいりません。
ただし、食事や生活に気をつけているのに軟便や下痢が続く、発熱や吐き気などの症状を伴うといった場合には、早めの受診をおすすめします。丁寧に診察を行い、必要に応じた適切な検査を行います。大腸カメラ検査にも対応しておりますので、安心してご相談ください。