胸の痛みと消化器疾患の関係
「胸が痛い=心臓」と思われがちですが、実は消化器の病気が原因となることもあります。食道や胃などの疾患によって、胸の奥に痛みや違和感を感じるケースは少なくありません。中には重大な疾患が隠れていることもあるため、正確な診断が重要です。
- 逆流性食道炎(GERD)
胃酸の逆流によって、胸の奥が焼けるように痛んだり、のどの違和感や咳を伴うことがあります。 - 食道けいれん・食道狭窄
食事中や食後に胸部の締めつけ感、圧迫感として現れることがあります。 - 胃・十二指腸潰瘍
みぞおちの痛みが胸のあたりまで広がることがあります。空腹時や夜間に強くなる傾向があります。 - 膵炎・胆石症
上腹部から背部、または胸部に放散する痛みとして感じられることがあります。
当院で可能な検査・評価
当クリニックでは、胸痛の原因が消化器または循環器に由来するかを総合的に判断するため、以下の検査を行っています。
- 血液検査:炎症反応、肝機能、膵酵素、貧血、感染症の有無を調べます。
- 腹部超音波検査:肝臓・胆のう・膵臓などの状態を確認します。
- 胃カメラ(上部内視鏡):食道、胃、十二指腸の炎症・潰瘍・腫瘍などを直接観察します。
- 大腸カメラ(下部内視鏡):腹部の張りや消化器全体の評価が必要な場合に実施します。
- 尿検査:腎臓・膀胱の異常や感染の可能性を評価します。
- 心電図検査:心臓の異常(不整脈、虚血、狭心症など)をチェックし、循環器疾患の除外や早期発見に努めます。
※CT・MRI検査が必要と判断された場合は、連携医療機関にてご案内いたします。
このような方はご相談ください
- 胸が焼けるように痛む・しみる感じがする
- 食後や横になると痛みが強くなる
- 胸の痛みに加えて、喉のつかえ感やげっぷがある
- 胃薬で症状が改善しない
- 胸の痛みと同時に動悸・息苦しさ・冷や汗などがある(心電図検査の対象)
当院の対応について
胸の痛みの原因が消化器か循環器か、判断に迷うケースもあります。当院では、内視鏡専門医と内科医が連携し、必要な検査を通して適切な診断と治療をご提供いたします。「何科を受診すればよいかわからない」という場合でも、お気軽にご相談ください。