直腸カルチノイドについて
直腸カルチノイド(直腸神経内分泌腫瘍、直腸NET)は、直腸に発生する良性または低悪性度の神経内分泌腫瘍です。神経内分泌腫瘍(NET)は、神経系と内分泌系の両方の特性を持つ細胞から発生します。
直腸の粘膜に小さな腫瘍が現れるもので、早期に発見されることが多く、一般的に進行が遅いとされています。
直腸カルチノイドの特徴
- 良性が多い:直腸カルチノイドは一般的に良性の腫瘍で、悪性化することはまれですが、一定の割合で転移することもあります。
- 発見の多くは偶然:症状がほとんどなく、内視鏡検査(大腸カメラ)で偶然発見されることが多いです。
- ホルモン分泌:一部のカルチノイド腫瘍はホルモンを分泌し、まれにカルチノイド症候群を引き起こすことがあります。
直腸カルチノイドの症状
- 排便時の不快感や痛み:腫瘍が大きくなることで、直腸内に異物感を感じることがあります。
- 血便:腫瘍が出血することで血便が見られる場合があります。
- 腹痛:まれに腫瘍が腸を圧迫し、腹痛を伴うことがあります。
- カルチノイド症候群(まれ):下痢、皮膚の紅潮、息切れ、心拍数増加などの症状が現れることがあります。
診断と治療
- 内視鏡検査(大腸カメラ):腫瘍の大きさや位置、形状を観察し、必要に応じて病理検査を行います。
- 追加検査:必要に応じて超音波内視鏡、CT、MRIなどの画像検査を行います。
- 内視鏡的切除:小さな腫瘍であれば、内視鏡により切除が可能です。
- 外科的手術:腫瘍が大きい場合や深部に及ぶ場合には、手術が検討されます。
- 経過観察:良性の小さな腫瘍であれば、定期的な内視鏡検査による経過観察を行うことがあります。
このような方はご相談ください
- 健診や内視鏡検査で直腸に異常が見つかった
- 排便時に血便や腹痛を感じる
- 直腸に違和感がある
- 直腸カルチノイドについて心配している
直腸カルチノイドは早期発見で良好な予後が期待できる腫瘍です。
内視鏡検査を通じて早期に発見し、適切な治療や経過観察を行うことが重要です。
当院では、直腸カルチノイドに関する専門的な診断と治療を行っておりますので、気になる症状があればご相談ください。