- 日本肝臓学会 総会 奈良宣言2023について
- 奈良宣言2023の主な内容
- 当院での取り組み
- 健康診断で「肝機能異常」を指摘された方へ
- ALTが30以上の場合に疑われる疾患
- 当院で可能な検査・対応
- ALTが正常より少し高いだけ…と思っていませんか？
日本肝臓学会 総会 奈良宣言2023について
2023年6月に開催された第59回日本肝臓学会総会（奈良大会）において、肝疾患対策の新たな指針となる「奈良宣言2023」が発表されました。これは、肝疾患の早期発見と適切な管理を推進し、“肝がんゼロ”を目指す全国的な取り組みです。
奈良宣言2023の主な内容
- 肝疾患のスクリーニング強化：健康診断などで肝機能異常を指摘された場合、放置せず原因を精査し、必要なフォローアップを行うことが推奨されています。
- B型・C型肝炎の継続的管理：肝炎ウイルスを持つ方の継続的な診療・治療と、未受診者への積極的な受診勧奨。
- 脂肪肝（NAFLD/NASH）・アルコール性肝障害への対策：生活習慣の改善と早期介入による重症化予防。
- 医療機関・地域連携の推進：肝疾患診療におけるかかりつけ医と専門医の連携強化。
当院での取り組み
当クリニックでは、奈良宣言の主旨に基づき、肝疾患の早期発見と適切なフォローアップを行っています。
- 血液検査
肝機能や肝炎ウイルス、自己免疫指標、脂質・血糖などを総合的に評価します。 - 腹部超音波検査（エコー）
肝臓の脂肪化、腫瘤、硬化、胆道異常などを非侵襲的にチェックできます。 - 内視鏡検査（胃カメラ・大腸カメラ）
肝疾患に伴う合併症（食道静脈瘤や胃粘膜異常）の早期発見に有用です。
※CT・MRIなどの高度な画像検査は当院では実施しておりませんが、必要な場合は適切な医療機関をご紹介いたします。
健康診断で「肝機能異常」を指摘された方へ
奈良宣言では、「肝機能異常を指摘されたまま放置しないこと」が強く呼びかけられています。当院では、消化器・肝臓の専門医が一人ひとりの状態に応じた検査・診療を行っております。
「肝臓のことは後回しにしがち」と感じている方こそ、ぜひ一度ご相談ください。あなたの肝臓を守る第一歩を、私たちと一緒に踏み出しましょう。
ALT（GPT）30以上の肝機能異常は、放置しないでください
— 肝疾患の早期発見があなたの命を守ります —
最近の研究や日本肝臓学会「奈良宣言2023」では、血液検査でALT（GPT）が30以上の方は、何らかの肝臓の異常が隠れている可能性があるとして、精密検査と継続的な経過観察の重要性が強調されています。
ALTは肝臓の細胞が壊れると血中に増える酵素で、「沈黙の臓器」といわれる肝臓からの“早期のSOSサイン”ともいえます。
ALTが30以上の場合に疑われる疾患
- 脂肪肝（NAFLD/NASH）
メタボリックシンドロームや生活習慣の乱れにより進行し、肝硬変や肝がんにつながることもあります。 - ウイルス性肝炎（B型・C型）
自覚症状がないまま長期にわたり進行することがあるため、血液検査による早期診断が重要です。 - 自己免疫性肝炎・薬剤性肝障害
原因が特定しづらく、慢性化することもあるため、専門的な検査が必要です。 - アルコール性肝障害
飲酒量が少なくても、体質によっては肝臓に大きな負担となることがあります。
当院で可能な検査・対応
- 血液検査（ALT、AST、γ-GTP、HBV/HCV、自己抗体、脂質など）
- 腹部超音波検査（エコー）（肝の脂肪化、腫瘍、胆管異常などをチェック）
- 胃カメラ・大腸カメラ（肝疾患に伴う消化管の異常の有無を確認）
※CT検査・MRI検査は当院では行っておりませんが、必要に応じて連携医療機関をご紹介します。
ALTが正常より少し高いだけ…と思っていませんか？
「ALT 30以上」は、肝臓からの静かな警告サインです。
「体調が悪くないから」「昔から少し高いだけだから」と放置せず、一度しっかりと肝臓を調べてみませんか？当院では、消化器・肝臓専門医が責任をもって診察し、必要な検査・生活指導を丁寧に行います。
肝臓を守るための第一歩は、“数値を見逃さないこと”から始まります。
気になる方は、お気軽にご相談ください。