高血圧症について
自覚症状がなくても進行する“沈黙の病気”――早めの対策が、将来の健康を守ります。
高血圧症とは、安静時の血圧が慢性的に高い状態が続く病気です。日本では成人の約2~3人に1人が高血圧といわれており、非常に身近な生活習慣病の一つです。放置していると、脳卒中・心筋梗塞・腎臓病などの重大な合併症を引き起こすリスクがあります。
高血圧の基準
日本高血圧学会のガイドラインでは、以下のように定義されています:
- 正常血圧:収縮期血圧<120 mmHgかつ拡張期血圧<80 mmHg
- 高血圧:収縮期血圧≧140 mmHgまたは拡張期血圧≧90 mmHg
※「家庭で測った血圧」が重要です。診察室よりも家庭での測定値の方が実際の状態を反映します。
高血圧の原因
高血圧は多くの場合、原因がはっきりしない「本態性高血圧」で、以下の要因が関係しています:
- 塩分の多い食事
- 運動不足
- 肥満
- 遺伝(家族歴)
- 加齢・ストレス・喫煙・過度の飲酒 など
※まれに腎臓病や内分泌の病気が原因となる「二次性高血圧」の場合もあり、検査で見分けが必要です。
自覚症状は?
多くの場合、高血圧にははっきりとした自覚症状がありません。
しかし、次のような症状が現れることがあります:
- 頭痛
- めまい
- 動悸
- 耳鳴り
- 目のかすみ
※これらの症状は他の病気でも見られるため、定期的な血圧測定が最も確実なチェック方法です。
高血圧が引き起こす合併症
高血圧を放置すると、以下のような深刻な病気のリスクが高まります:
- 脳出血・脳梗塞(脳卒中)
- 心筋梗塞・心不全
- 腎不全(人工透析が必要になることも)
- 眼底出血・視力低下
当院での対応
当クリニックでは、高血圧の早期発見・治療・生活指導を積極的に行っています。
- 血圧測定・問診
- 血液検査・尿検査・心電図
- 必要に応じて腹部超音波検査(腎臓などの評価)
- 薬物療法(患者様の体質や生活に合わせて処方)
- 栄養・運動・生活習慣のアドバイス
※CT・MRIなどの画像検査が必要な場合は、連携医療機関へご紹介いたします。
このような方はご相談ください
- 健診で「血圧が高い」と言われた
- 家庭で測った血圧が140/90以上ある
- 生活習慣を改善しても血圧が下がらない
- ご家族に高血圧の方がいて心配
- 動悸やめまいなどが気になる
高血圧は、“症状がないから大丈夫”ではなく、“今、予防することが将来の健康につながる”病気です。
当クリニックでは、継続的な管理とわかりやすい説明を心がけています。気になる方は、どうぞお気軽にご相談ください。