ピロリ菌と胃がんリスク|除菌後も胃カメラが必要な理由

院長 奥 久徳
院長プロフィール
- 平成21年3月 大阪医科大学医学部医学科卒業
- 平成21年4月 市立堺病院 研修医
- 平成23年4月 大阪赤十字病院 消化器内科 入職
- 平成26年4月 関西電力病院 消化器科肝胆膵内科 入職
- 平成29年5月 芦屋おく内視鏡クリニック 開業
- 令和06年5月 大阪なんば
内科・消化器内視鏡クリニック 開業
ピロリ菌が与える影響
ピロリ菌は、正式には「ヘリコバクター・ピロリ」と呼ばれる細菌です。
胃の中に住み着くと粘膜に慢性的な炎症を引き起こし、長年放置すると胃潰瘍や十二指腸潰瘍、さらには胃がんのリスクを大幅に高めることが知られています。
日本では現在の40歳代以上の多くがかつて感染していたといわれ、胃がん患者の大多数にピロリ菌感染歴があります。
感染経路は幼少期の口移しや不衛生な飲料水などと考えられています。
一度感染すると自然に消えることはほとんどなく、放置することで炎症が慢性化し、胃の粘膜が「萎縮性胃炎」に進みやすくなります。
除菌しても安心できない理由
現在は抗菌薬と胃酸抑制薬を組み合わせた「除菌治療」が一般的で、7〜9割以上が成功します。
しかし、除菌が成功しても胃がんリスクがゼロになるわけではありません。
特に、すでに胃粘膜に萎縮性胃炎や腸上皮化生などの変化がある方、家族に胃・十二指腸潰瘍や胃がんの既往がある方、喫煙・過度の飲酒習慣がある方
こうした方は、除菌後も胃がんを発症する可能性が高いです。
そのため「除菌して終わり」ではなく、除菌後も定期的な胃カメラでのチェックが必須 です。
胃カメラの必要性
胃がんは発生しても症状が出にくく、気づいたときには進行しているケースが多い病気です。
一方で、早期に発見できれば内視鏡治療だけで完治が可能なこともあります。
早期胃がん → 内視鏡的切除で根治可能
進行胃がん → 手術や抗がん剤が必要
だからこそ「無症状の段階」で定期的に内視鏡を受けることが重要なのです。
生活習慣でのリスク軽減
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禁煙(喫煙は胃がんリスクを高める)
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アルコールを控える
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塩分過多を避ける
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野菜・果物を摂る
FAQ
Q. 除菌に成功したらもう検査不要?
→ いいえ、胃粘膜の萎縮の程度に応じて胃がんのリスクは残ります。
Q. 除菌後はどれくらいの間隔で検査を?
→ 年1回が基本です。リスクが高い方は半年〜
当院の推奨
当院では、20歳を過ぎたら定期的な年に1回の胃カメラを推奨しています。
これは「ピロリ菌感染の有無に関わらず、早期発見を逃さない」ための方針です。
ピロリ菌に感染している方や除菌歴のある方は特に毎年の検査を習慣化することが安心につながります。
まとめ:ピロリ菌除菌はゴールではなくスタート。定期的な胃カメラでリスクを管理しましょう。
大阪なんば内科消化器内視鏡クリニックでは、
鎮静剤で楽に受けられる内視鏡検査
女性医師常勤
土日祝も診療
当日検査対応
を提供しています。
「胸やけが続く」「便秘がひどい」「健診で異常を指摘された」など、少しでも不安があればお気軽にご相談ください。
当院では胃カメラは20歳、大腸カメラは30歳を過ぎたら一度受けることをおすすめしています。