冬の食事(鍋料理・お餅)が胃腸に与える影響
院長 奥 久徳
院長プロフィール
- 平成21年3月 大阪医科大学医学部医学科卒業
- 平成21年4月 市立堺病院 研修医
- 平成23年4月 大阪赤十字病院 消化器内科 入職
- 平成26年4月 関西電力病院 消化器科肝胆膵内科 入職
- 平成29年5月 芦屋おく内視鏡クリニック 開業
- 令和06年5月 大阪なんば
内科・消化器内視鏡クリニック 開業

冬は寒さが厳しくなる季節であり、食生活もそれに合わせて変化します。鍋料理やお餅など、冬ならではの食べ物は体を温め、栄養も豊富ですが、一方で胃腸への負担も大きくなりやすいのが特徴です。ここでは、冬の代表的な食事が胃腸にどのような影響を与えるのか、消化不良や便秘などのトラブルを防ぐ方法、そして必要に応じて胃カメラで確認すべき症状について詳しく解説します。
目次
鍋料理と胃腸の関係
鍋料理は、野菜、魚、肉、豆腐などを一度に摂取できる栄養バランスの良い食事です。温かい料理で体も温まるため、寒い季節には理想的な献立とも言えます。しかし、いくつかのポイントに注意しないと、胃腸に負担をかける原因になります。
食べすぎによる胃もたれ
鍋料理は取り分け形式で食べることが多く、ついおかわりを重ねて食べすぎてしまうことがあります。食べ過ぎは胃の消化能力を超え、胃もたれや胸やけ、腹部の張りなどの不快症状を引き起こすことがあります。
塩分や脂肪の摂りすぎ
鍋のスープには塩分や脂肪が多く含まれることがあります。特に市販の鍋つゆや濃い味付けを使用すると、塩分の摂りすぎで高血圧のリスクが高まったり、脂肪分の多い肉や揚げ物のトッピングで消化不良を招くことがあります。
消化不良や腸のトラブル
鍋料理を急いで食べたり、よく噛まずに飲み込むと、胃の消化活動に負担がかかります。結果として、下痢や軟便、便秘などの腸のトラブルが起こりやすくなります。また、胃酸の逆流による胸やけや胃痛も発生する場合があります。
お餅による消化不良と注意点
お正月や冬の行事で欠かせないお餅ですが、胃腸への負担も無視できません。
消化に時間がかかる
お餅はもち米から作られるため粘り気が強く、胃での消化に時間がかかります。食べすぎると胃の滞留時間が長くなり、胃もたれや吐き気、腹部の張りなどの不快感を引き起こすことがあります。
便秘の原因になることも
消化が遅くなることで、腸内に負担がかかり、便秘や軟便を引き起こすことがあります。特に食物繊維や水分摂取が不足している場合は腸内環境が悪化し、便秘が慢性化するリスクも高まります。
高齢者のリスク
高齢者の場合、お餅は喉や食道で詰まりやすく、誤嚥や窒息のリスクがあります。お餅を食べる際は、小さく切る、よく噛む、ゆっくり食べるといった工夫が重要です。
冬の食生活での胃腸負担を減らす工夫
冬の食事は体を温め、栄養を摂ることが大切ですが、胃腸への負担を軽減するためのポイントを押さえることが重要です。
ゆっくりよく噛む
消化を助けるために、食事はゆっくり噛んで食べましょう。噛むことで唾液が分泌され、消化酵素が働きやすくなります。特に鍋料理やお餅のような消化の負担が大きい食べ物では、十分に噛むことが大切です。
野菜やきのこ類を積極的に摂る
鍋料理には野菜やきのこ、海藻などを多めに入れることで、食物繊維を補えます。食物繊維は腸の蠕動運動を助け、便通改善や腸内環境の維持に役立ちます。
食べすぎを防ぐ
鍋やお餅は美味しいためつい食べ過ぎてしまいますが、腹八分目を意識することが大切です。おかわりをする前に少し待つことで、満腹感が得られやすくなります。
水分補給を忘れずに
冬は寒さで水分摂取が減りがちです。鍋料理やお餅を食べる際も、白湯や水をこまめに飲むことで消化を助け、便秘予防にもつながります。
胃カメラで確認した方がいい症状
冬の食事で胃腸に負担がかかり、症状が長引く場合は注意が必要です。次のような症状がある場合は、胃カメラで粘膜の状態を確認することをおすすめします。
-
胃痛や胸やけが2週間以上続く
-
吐き気や嘔吐が繰り返す
-
食欲が低下している
-
黒色便や血便が出ている
-
体重が急激に減少している
これらの症状は、胃炎や胃潰瘍、胃がんなどの病気が隠れている可能性があるため、自己判断せず医療機関での内視鏡検査が重要です。
胃カメラで分かること
胃カメラ(上部消化管内視鏡)を受けることで、胃や食道、十二指腸の状態を直接確認できます。特に次のようなことが分かります。
-
胃粘膜の炎症やただれの有無
-
胃潰瘍や十二指腸潰瘍の状態
-
胃ポリープや腫瘍の早期発見
-
ピロリ菌感染の確認
胃カメラは精密検査であり、症状の原因を明らかにするだけでなく、必要に応じて組織検査も行えます。早期に異常を発見できれば、治療も迅速かつ負担の少ない方法で行えます。
大腸カメラの検討も重要
鍋料理やお餅による消化不良や便秘が続く場合、大腸の状態も確認することが安心につながります。便秘や下痢、血便が見られる場合、大腸カメラ(下部内視鏡)で以下のことをチェックできます。
-
大腸ポリープの有無
-
大腸がんの早期発見
-
潰瘍性大腸炎やクローン病など炎症性腸疾患の確認
胃カメラと大腸カメラを組み合わせることで、消化管全体の健康状態を把握し、冬の胃腸トラブルの原因を明らかにできます。
まとめ
冬は鍋料理やお餅など、体を温める美味しい食事が増える季節です。しかし、食べすぎや塩分過多、消化に時間がかかる食品は、胃腸に負担をかけ、胃もたれや便秘、胸やけ、下痢などの症状を引き起こすことがあります。
-
食事はゆっくり噛んで食べる
-
野菜やきのこ類を多めに摂る
-
食べすぎを避ける
-
水分補給を忘れない
などの工夫次第で健康的に楽しむことができます。
何か違和感を感じる際は、胃カメラ・大腸カメラでの精密検査が重要です。早期に異常を発見することで、負担の少ない治療や生活改善が可能になります。
大阪なんば内科消化器内視鏡クリニックでは、
鎮静剤で楽に受けられる内視鏡検査
女性医師常勤
土日祝も診療
当日検査対応
を提供しています。
「胸やけが続く」「便秘がひどい」「健診で異常を指摘された」など、少しでも不安があればお気軽にご相談ください。
当院では胃カメラは20歳、大腸カメラは30歳を過ぎたら一度受けることをおすすめしています。
