胃の不快感が続くときに疑うべき病気5つ
院長 奥 久徳
院長プロフィール
- 平成21年3月 大阪医科大学医学部医学科卒業
- 平成21年4月 市立堺病院 研修医
- 平成23年4月 大阪赤十字病院 消化器内科 入職
- 平成26年4月 関西電力病院 消化器科肝胆膵内科 入職
- 平成29年5月 芦屋おく内視鏡クリニック 開業
- 令和06年5月 大阪なんば
内科・消化器内視鏡クリニック 開業

「食後に胃が重い」「みぞおちに違和感がある」「なんとなくスッキリしない状態が続く」――
このような胃の不快感を、年齢や疲れ、ストレスのせいだと考えて放置していませんか。
胃の不調は、多くの人が経験する身近な症状である一方、実は体からの重要なサインであることも少なくありません。
特に、同じような不快感が2週間以上続く場合や、胃薬を飲んでも改善しない場合には、「一時的な不調」ではなく、胃の中で何らかの変化が起きている可能性があります。
胃は強い胃酸を分泌しながら、食べ物を消化する非常に繊細な臓器です。
生活習慣の乱れやストレス、加齢、ピロリ菌感染などが重なることで、胃の粘膜は少しずつダメージを受け、不快感として症状が現れます。
初期の段階では痛みがはっきりせず、「なんとなく調子が悪い」という感覚だけで進行する病気も少なくありません。
実際、慢性胃炎や逆流性食道炎、機能性ディスペプシアといった比較的よく見られる疾患から、胃潰瘍、さらには早期の胃がんまで、胃の不快感をきっかけに見つかる病気は多岐にわたります。
特に胃がんは、早期のうちは自覚症状が乏しく、「違和感」だけが唯一のサインとなることもあります。
この記事では、胃の不快感が続くときに考えられる代表的な病気を整理し、それぞれの特徴や注意点、受診の目安についてわかりやすく解説します。
「ただの胃もたれ」と見過ごさず、早めに対処するための判断材料としてお役立てください。
目次
胃の不快感が続くのはなぜ起こるのか
胃の不快感が長引く背景には、胃の働きそのものと密接な関係があります。
胃は、食べ物を消化するために強力な胃酸を分泌する一方で、自身の粘膜を守る防御機構も同時に備えています。
この「攻撃(胃酸)」と「防御(粘液・血流・粘膜再生)」のバランスが保たれている限り、私たちは胃の存在を意識することなく生活できます。
しかし、このバランスが崩れると、胃の粘膜は少しずつダメージを受け、不快感や違和感として症状が現れます。
問題なのは、初期段階では強い痛みが出にくく、「なんとなく重い」「ムカムカする」といった曖昧な症状にとどまる点です。
胃の不快感を引き起こす主な要因には、次のようなものがあります。
まず挙げられるのが、生活習慣の乱れです。
夜遅い食事、暴飲暴食、アルコールの摂りすぎ、脂っこい食事の習慣は、胃酸の分泌を過剰にし、胃粘膜への負担を大きくします。
特に空腹と満腹を繰り返す不規則な食生活は、胃の働きを乱しやすくなります。
次に重要なのが、ストレスと自律神経の乱れです。
強いストレスや緊張状態が続くと、自律神経のバランスが崩れ、胃の血流が低下します。血流が悪くなると、粘膜の修復が追いつかず、軽い炎症でも長引きやすくなります。
ストレスが原因の場合、検査で明らかな異常が見つからなくても症状が続くことがあります。
さらに、加齢による変化も無視できません。
年齢とともに胃の粘膜は薄くなり、胃酸の刺激に対して弱くなります。
若い頃は問題なかった生活習慣でも、40代以降になると胃の不調として表面化することがあります。
そして最も大きな要因の一つが、ピロリ菌感染です。
ピロリ菌は胃の中に長期間住みつき、慢性的な炎症を引き起こします。
炎症が続くことで胃粘膜は徐々に萎縮し、胃もたれや不快感が慢性化します。
この状態を放置すると、胃潰瘍や胃がんのリスクが高まることがわかっています。
このように、胃の不快感が続く原因は一つではなく、複数の要因が重なって起こることがほとんどです。
「少し調子が悪いだけ」と感じる段階こそ、胃が発している最初の警告であり、早めに原因を見極めることが重要です。
胃の不快感が続くときに疑うべき病気5つ
胃の不快感が長引く場合、単なる食べすぎや一時的な体調不良ではなく、胃や食道の病気が背景に隠れていることがあります。
特に、
「胃が重い状態が続く」
「胃薬を飲んでもすっきりしない」
「原因がはっきりしない不快感がある」
といった症状は、胃の内部で慢性的な変化が起きているサインかもしれません。
胃の不調を引き起こす病気にはいくつか代表的なものがあり、症状が似ていても、原因や治療法は大きく異なります。
ここでは、胃の不快感が2週間以上続くときに、特に注意すべき代表的な5つの病気について、それぞれの特徴と見分け方を順番に解説します。
① 慢性胃炎(ピロリ菌感染による)
胃の不快感が長く続く原因として、最も多く見られるのが慢性胃炎です。
特に、日本人に多い慢性胃炎の大半は、ピロリ菌(Helicobacter pylori)感染が関係しています。
ピロリ菌は、胃酸という強い酸性環境の中でも生き延びる特殊な細菌です。胃の粘膜に住みつき、長期間にわたって炎症を起こし続けることで、胃の内側を少しずつ傷つけていきます。
▼慢性胃炎が起こる仕組み
通常、胃粘膜は粘液や十分な血流によって守られています。
しかしピロリ菌に感染すると、次のような変化が起こります。
・胃粘膜に慢性的な炎症が起こる
・粘膜の修復が追いつかなくなる
・胃粘膜が徐々に薄くなる(萎縮性胃炎)
この状態が続くことで、胃は刺激に弱くなり、少量の食事や胃酸の分泌だけでも不快感を覚えるようになります。
▼主な症状
慢性胃炎の症状は、はっきりした痛みが出にくいのが特徴です。
・食後の胃もたれ、重苦しさ
・みぞおちの違和感
・空腹時の軽い痛み
・食欲低下、早期満腹感
・げっぷや膨満感
「なんとなく調子が悪い状態」が長く続くため、年齢や体質のせいだと思い込み、放置されやすい病気でもあります。
▼放置するとどうなるか
慢性胃炎を放置すると、炎症は徐々に進行し、萎縮性胃炎へと移行します。
萎縮が進むと、胃の働きが低下するだけでなく、胃がんの発生リスクが明らかに高まることが分かっています。
特に注意が必要なのは、次のような方です。
・健診で「胃炎」「萎縮性変化」を指摘された
・家族に胃がんの既往がある
・過去にピロリ菌検査を受けたことがない
自覚症状が軽くても、胃の中では変化が進んでいる可能性があります。
▼診断に必要な検査
慢性胃炎の診断には、胃カメラ(上部消化管内視鏡検査)が最も有効です。
胃カメラでは、
・胃粘膜の炎症や萎縮の程度
・潰瘍やポリープの有無
・ピロリ菌感染の有無
を直接確認できます。必要に応じて粘膜の一部を採取し、正確な診断を行います。
▼治療の基本は「ピロリ菌除菌」
ピロリ菌が確認された場合、除菌治療を行うことで、炎症の進行を抑え、将来的な胃がんリスクを下げることができます。
除菌後もすぐに症状が消えるとは限りませんが、胃粘膜の環境は確実に改善していきます。
そのため、除菌後も定期的な内視鏡検査で胃の状態を確認することが大切です。
慢性胃炎は、「軽い不調」の段階で見つけ、対処することができる病気です。
胃の不快感が続いている場合、まず疑うべき原因の一つとして、決して見逃してはいけません。
② 逆流性食道炎(GERD)
胃の不快感の原因として、近年とくに増えているのが逆流性食道炎(GERD)です。
これは、胃の中の胃酸や消化途中の内容物が食道へ逆流し、食道の粘膜を刺激することで起こります。
本来、胃と食道の境目には「下部食道括約筋」という逆流を防ぐ仕組みがあります。
しかし、この働きが弱くなると、胃酸が逆流しやすくなり、不快な症状が現れます。
▼逆流性食道炎が起こる主な原因
逆流性食道炎は、生活習慣と密接に関係しています。
・食べすぎ、早食い
・脂っこい食事や甘いものの摂りすぎ
・夜遅い食事、寝る直前の飲食
・アルコール、カフェインの多飲
・肥満、猫背など姿勢の悪さ
・加齢による筋力低下
これらが重なることで、胃の内圧が上がり、胃酸が逆流しやすくなります。
▼主な症状
逆流性食道炎の症状は、いわゆる「胃の症状」だけにとどまりません。
・胸やけ、みぞおちの焼ける感じ
・胃のムカムカ、不快感
・のどの違和感、つかえ感
・咳が続く、声がかすれる
・横になると症状が強くなる
特に、「胃が悪い気がするのに、胃薬が効かない」「のどの症状がある」という場合、逆流性食道炎が疑われます。
▼放置すると起こりうるリスク
逆流性食道炎を放置すると、食道の炎症が慢性化し、
・食道潰瘍
・食道狭窄(食べ物が通りにくくなる)
・バレット食道(食道がんの前段階)
といった状態に進行することがあります。
症状が軽いうちは日常生活に支障が出にくいため、受診が遅れがちですが、長期間続く不快感は決して軽視すべきではありません。
▼診断に必要な検査
逆流性食道炎の診断には、胃カメラ(上部内視鏡検査)が有効です。
胃カメラでは、
・食道粘膜の炎症の有無
・ただれや潰瘍の有無
・胃の状態や他疾患の併存
を直接確認することができます。
症状だけでは慢性胃炎や胃潰瘍と区別がつかないことも多く、正確な診断のためには内視鏡検査が重要です。
▼治療と日常生活での注意点
治療の基本は、胃酸分泌を抑える薬と生活習慣の改善です。
・寝る2〜3時間前は食事を控える
・脂っこい食事、アルコールを控える
・食後すぐ横にならない
・上半身を少し高くして寝る
これらを意識するだけでも、症状が軽減するケースは少なくありません。
胃の不快感に加えて胸やけやのどの違和感がある場合、
逆流性食道炎は必ず鑑別すべき重要な病気の一つです。
③ 機能性ディスペプシア(FD)
胃の不快感が続いているにもかかわらず、胃カメラや血液検査で明らかな異常が見つからない場合に考えられるのが、機能性ディスペプシア(Functional Dyspepsia:FD)です。
近年、胃の不調を訴えて受診する方の中で、この病気は非常に増えています。
「異常なしと言われたけれど、症状はつらい」という方に多くみられるのが特徴です。
▼機能性ディスペプシアとは何か
機能性ディスペプシアは、胃の形や粘膜に異常はないものの、胃の“働き”に問題が生じている状態を指します。
胃は単なる袋ではなく、
・食べ物をためる
・胃酸と混ぜる
・適切なタイミングで腸へ送り出す
といった複雑な動きをしています。
この動きがうまくいかなくなることで、不快感や痛み、胃もたれといった症状が起こります。
▼主な原因
機能性ディスペプシアの原因は一つではなく、複数の要因が絡み合っています。
・自律神経の乱れ
・精神的ストレス、不安
・睡眠不足、生活リズムの乱れ
・暴飲暴食、早食い
・胃の運動機能低下
・胃の知覚過敏(少しの刺激でも痛みを感じやすい)
特に、ストレスとの関連が強く、仕事や家庭環境の変化をきっかけに発症するケースも少なくありません。
▼主な症状
機能性ディスペプシアの症状は、大きく2つのタイプに分けられます。
① 食後愁訴症候群(PDS)タイプ
・少し食べただけでお腹がいっぱいになる
・食後の胃もたれが強い
・胃が張って苦しい
② 心窩部痛症候群(EPS)タイプ
・みぞおちの痛み、灼熱感
・空腹時に不快感が強くなる
・胃がキリキリする感じ
これらが単独、または混在して現れることもあります。
▼なぜ「異常なし」でも症状が出るのか
「検査で問題ないなら、気のせいなのでは?」
と思われがちですが、それは誤解です。
機能性ディスペプシアでは、
・胃の動きが鈍くなる
・胃が過剰に緊張する
・神経が敏感になり、刺激を強く感じる
といった機能レベルの異常が起きています。
これは画像検査では写らないため、症状の経過や特徴を丁寧に聞き取ることが診断に欠かせません。
▼診断のために必要なこと
機能性ディスペプシアは、他の病気を除外したうえで診断される病気です。
そのため、以下の確認が重要になります。
・胃カメラで炎症・潰瘍・がんがないこと
・ピロリ菌感染の有無
・貧血や体重減少などの危険サインがないこと
「異常がないことを確認する」こと自体が、治療への大切な第一歩になります。
▼治療と向き合い方
治療は、症状やタイプに応じて行います。
・胃の動きを整える薬
・胃酸分泌を調整する薬
・ストレスを和らげる治療
・食事や生活習慣の見直し
多くの場合、薬と生活改善の組み合わせで症状は軽減します。
「原因がわからないから治らない病気」ではなく、適切に対処すればコントロール可能な病気です。
▼こんな場合は再評価が必要
次のような変化があれば、再度医療機関を受診してください。
・症状が急に強くなった
・体重減少や貧血が出てきた
・胃薬が全く効かない
・症状の質が変わった
機能性ディスペプシアと診断されていても、経過中に別の病気が隠れていることはゼロではありません。
④ 胃潰瘍・十二指腸潰瘍
胃の不快感が「重い」「ムカムカする」といったレベルから、はっきりした痛みへと変わってきた場合、胃潰瘍や十二指腸潰瘍を疑う必要があります。
これらは、胃や十二指腸の粘膜が深く傷つき、えぐれるように欠損した状態で、放置すると出血などの重い合併症を引き起こします。
▼胃潰瘍・十二指腸潰瘍とは
胃や十二指腸は、強い胃酸にさらされながらも粘液や血流によって粘膜が守られています。
しかし、
・胃酸の分泌が過剰になる
・粘膜の防御力が低下する
このバランスが大きく崩れると、粘膜が自分自身の胃酸で傷つき、潰瘍が形成されます。
▼主な原因
胃潰瘍・十二指腸潰瘍の代表的な原因は次の2つです。
① ピロリ菌感染
ピロリ菌は慢性的な炎症を引き起こし、粘膜の防御力を低下させます。
日本人の潰瘍患者では、今もなお大きな原因の一つです。
② NSAIDs(痛み止め)の使用
ロキソニン、イブプロフェンなどの消炎鎮痛薬は、胃粘膜を守る物質の産生を抑えてしまいます。
長期使用や空腹時の服用は、潰瘍リスクを大きく高めます。
その他、
・強いストレス
・喫煙
・過度な飲酒
も発症や悪化の要因になります。
▼主な症状の特徴
胃潰瘍・十二指腸潰瘍では、次のような症状がみられます。
胃潰瘍に多い症状
・食後に強くなる胃痛
・胃の重さ、膨満感
・吐き気、食欲低下
十二指腸潰瘍に多い症状
・空腹時や夜間の胃痛
・食事をすると一時的に楽になる
・みぞおちのキリキリした痛み
▼危険なサイン
以下の症状がある場合は、緊急性が高い状態です。
・黒い便(タール便)が出る
・吐血、コーヒー残渣様の嘔吐
・急激な貧血、めまい
・強い腹痛が続く
潰瘍からの出血が進むと、入院や内視鏡止血が必要になることもあります。
▼診断に必要な検査
胃潰瘍・十二指腸潰瘍の診断には、胃カメラ(上部消化管内視鏡検査)が必須です。
胃カメラでは、
・潰瘍の有無・深さ
・出血の有無
・がんとの鑑別
・ピロリ菌感染の有無
を正確に評価できます。
症状だけで判断せず、必ず内視鏡で確認することが重要です。
▼治療の基本
治療の中心は、胃酸を抑え、粘膜を修復することです。
・胃酸分泌抑制薬(PPI、P-CAB)
・粘膜保護薬
・ピロリ菌陽性の場合は除菌治療
多くの場合、適切な治療で潰瘍は治癒します。
ただし、治った後も再発を防ぐための管理が欠かせません。
▼放置するとどうなるか
「そのうち治るだろう」と放置すると、
・再発を繰り返す
・慢性的な貧血
・大量出血
・穿孔(胃や腸に穴が開く)
といった重い状態に進行することがあります。
胃の不快感が痛みに変わってきたときは、我慢せず、早めに検査を受けることが重要です。
⑤ 胃がん(早期のうちは無症状)
胃の不快感が続くとき、最も見逃してはいけない病気が「胃がん」です。
胃がんと聞くと、
「かなり進行してから症状が出る病気」
「強い痛みがないとがんではない」
と考える方が多いですが、早期胃がんの多くは、ほぼ無症状で進行します。
だからこそ、「なんとなく胃の調子が悪い」という軽い不快感が、唯一のサインであることも少なくありません。
▼胃がんの初期症状はとてもあいまい
早期胃がんでは、次のような症状がみられることがあります。
・胃の重さ、違和感
・食後の膨満感
・食欲がわかない
・すぐにお腹がいっぱいになる
・胃もたれが続く
これらは、慢性胃炎や機能性ディスペプシアと区別がつきにくく、症状だけで胃がんを疑うことは非常に困難です。
▼症状がはっきりしたときは進行している可能性も
胃がんが進行すると、次のような症状が現れます。
・体重減少
・貧血
・黒い便(タール便)
・吐血
・強い倦怠感
この段階では、治療が大がかりになるケースも多く、「早期発見」とは大きく状況が変わってしまいます。
▼胃がんの最大のリスク因子はピロリ菌
胃がんの多くは、ピロリ菌感染による慢性胃炎・萎縮性胃炎を背景に発生します。
流れとしては、
ピロリ菌感染
→ 慢性胃炎
→ 萎縮性胃炎
→ 腸上皮化生
→ 胃がん
という、長い年月をかけた変化です。
そのため、
・ピロリ菌陽性と言われたことがある
・過去に除菌治療を受けた
・家族に胃がんの既往がある
こうした方は、症状が軽くても定期的な胃カメラ検査が必要です。
▼胃がんの発見に最も有効なのは胃カメラ
胃がんの早期発見には、胃カメラ(上部消化管内視鏡検査)が欠かせません。
胃カメラでは、
・数ミリの早期がん
・色調や凹凸のわずかな変化
・がんになる前段階の粘膜変化
を直接確認できます。
必要に応じて組織を採取し、その場で病理検査につなげることも可能です。
▼早期発見なら、体への負担は最小限
早期胃がんで見つかれば、
・内視鏡治療(ESD)
・胃を切らずに治療可能
といった、身体への負担が少ない治療で完治が期待できます。
一方、進行してから見つかると、
・外科手術
・抗がん剤治療
が必要になることもあり、生活への影響は大きくなります。
▼「症状が軽いから大丈夫」は危険
胃がんは、「強い症状が出てから見つける病気」ではなく、「症状がないうちに見つける病気」です。
特に、
・2週間以上続く胃の不快感
・原因がはっきりしない胃もたれ
・年齢が40歳以上
これらに当てはまる場合は、一度は胃カメラで確認することをおすすめします。
胃の不快感が続くときのセルフチェック
胃の不調は、日常的によくある症状のため「様子を見よう」と放置されがちです。
しかし、期間や症状の内容によっては、医療機関を受診すべきサインであることも少なくありません。
| チェック項目 | 状態 |
|---|---|
| 2週間以上胃の重さが続く | |
| 食欲が落ちた | |
| 体重が減ってきた | |
| 黒い便が出る | |
| 胃薬を飲んでも改善しない |
以下のチェック項目を確認してみてください。
次の症状はありませんか?
-
☑2週間以上、胃の重さ・ムカムカが続いている
-
☑食後すぐに胃が張って苦しくなる
-
☑少量しか食べていないのに満腹感が強い
-
☑胸やけや胃酸が上がってくる感じが続く
-
☑胃の不快感で食欲が落ちている
-
☑体重が意図せず減ってきている
-
☑胃薬(市販薬)を飲んでも改善しない
これらは、慢性胃炎・逆流性食道炎・機能性ディスペプシアなどでよくみられる症状です。
特に注意が必要な危険サイン
次の症状がある場合は、早めの受診が強く推奨されます。
-
黒い便(タール便)が出た
-
吐き気や嘔吐を繰り返す
-
貧血を指摘された、または強い倦怠感がある
-
食事がつかえる感じがある
-
胃の痛みが夜間や空腹時に強くなる
これらは、胃潰瘍・出血・胃がんなどの可能性も否定できないため、放置は禁物です。
「一時的な不調」と「検査が必要な不調」の違い
一時的な胃の不調は、
-
・暴飲暴食のあと
-
・強いストレスがかかった直後
-
・寝不足が続いた数日間
など、原因がはっきりしており、数日で自然に改善することがほとんどです。
一方で、
-
・原因が思い当たらない
-
・症状が徐々に強くなっている
-
・良くなったり悪くなったりを繰り返す
といった場合は、胃の中で慢性的な変化が起きている可能性があります。
1つでも当てはまったら、受診を検討しましょう
胃の病気は、症状が軽いうちほど治療が簡単で、早期に見つかれば、薬や生活改善だけで改善するケースも多くあります。
「まだ我慢できるから大丈夫」ではなく、「今なら大きな病気を防げるかもしれない」という視点が大切です。
胃の不調で受けるべき検査
胃の不快感が続く場合、症状だけから原因を正確に判断することは困難です。
胃の病気は、見た目の変化がわずかでも症状が出ることがあり、逆に進行していても自覚症状が乏しいケースも少なくありません。
そのため、適切な検査を受けて原因を明らかにすることが、改善への近道となります。
胃カメラ検査(上部内視鏡検査)
胃の不調が続く場合に、最も重要な検査が胃カメラ検査です。
胃カメラでは、食道・胃・十二指腸の粘膜を直接観察でき、炎症・潰瘍・ポリープ・がんなどを詳細に確認できます。
バリウム検査では見逃されやすい、
・初期の胃がん
・軽度の逆流性食道炎
・慢性胃炎の粘膜変化
なども、胃カメラであれば早期に発見可能です。
また、検査中に組織を採取することで、ピロリ菌感染の有無を同時に調べることもできます。
ピロリ菌検査
慢性胃炎や胃がんの大きな原因となるのがピロリ菌感染です。
ピロリ菌検査は、血液・尿・便・呼気検査、または胃カメラ時の組織検査で確認できます。
ピロリ菌が陽性の場合、除菌治療を行うことで、
・胃の炎症の改善
・胃潰瘍の再発予防
・将来的な胃がんリスクの低下
が期待できます。
血液検査
血液検査では、貧血や炎症の有無、栄養状態を確認します。
特に、胃の病気が原因で慢性的な出血が起きている場合、ヘモグロビン値の低下として現れることがあります。
倦怠感や体重減少を伴う胃の不調では、血液検査も重要な判断材料となります。
必要に応じた追加検査
症状や検査結果によっては、腹部エコーやCT検査を併用することもあります。
これにより、胃以外の臓器(肝臓・胆のう・膵臓など)の異常が原因となっていないかを確認します。
胃の不調は、必ずしも胃だけが原因とは限らないため、全身的な視点での評価が大切です。
胃の不快感を悪化させない生活習慣
胃の不快感があるとき、薬や検査だけでなく、日々の生活習慣の見直しも非常に重要です。
胃はストレスや生活リズムの影響を強く受ける臓器であり、何気ない習慣が症状を長引かせていることも少なくありません。
ここでは、胃の負担を減らし、回復力を高めるために意識したいポイントを解説します。
食事のタイミングと量に注意する
胃の不調があるときに最も大切なのは、「胃を休ませる時間」を確保することです。
夜遅い食事や、寝る直前の間食は、胃酸の分泌を長引かせ、粘膜への刺激を強めます。
目安としては、就寝の2時間前までに食事を終えることが理想です。
また、一度にたくさん食べるのではなく、腹八分目を意識し、よく噛んでゆっくり食べることが胃への負担軽減につながります。
刺激物・嗜好品の摂りすぎに注意
アルコール、カフェイン、香辛料の多い食事、脂っこい料理は、胃酸分泌を過剰にしやすく、胃粘膜を刺激します。
症状がある間は、できるだけ控えめにし、温かく消化の良い食事を中心にしましょう。
特に空腹時のアルコールやコーヒーは、胃の不快感を悪化させやすいため注意が必要です。
胃を冷やさない工夫
冷たい飲み物や食事は、胃の血流を低下させ、消化機能を弱める原因になります。
白湯や常温の飲み物、温かいスープなどを取り入れ、胃を内側から温めることを意識しましょう。
また、冷房の効いた環境では腹部を冷やさないよう、薄手の羽織や腹巻きなども有効です。
ストレスと睡眠の影響を軽視しない
胃の働きは、自律神経によってコントロールされています。
強いストレスや睡眠不足が続くと、自律神経が乱れ、胃の運動機能や胃酸分泌のバランスが崩れやすくなります。
十分な睡眠を確保し、入浴や軽い運動、深呼吸など、自分なりのリラックス方法を取り入れることが、胃の回復を助けます。
市販薬に頼りすぎない
胃薬を飲むと一時的に症状が和らぐことがありますが、原因そのものが解決しているとは限りません。
症状が長引く場合や、薬をやめると再発する場合は、自己判断を続けず、医療機関での検査を検討することが大切です。
医師からのメッセージ
胃の不快感は、命に関わるような強い症状ではないことも多く、「少し様子を見よう」「忙しいから後回しにしよう」と放置されがちです。
しかし、消化器の病気の多くは、最初はごく軽い違和感から始まるという特徴があります。
慢性胃炎や逆流性食道炎、機能性ディスペプシアなどは、早い段階であれば生活改善や内服治療だけでコントロール可能です。
一方で、症状を我慢し続けることで、潰瘍が深くなったり、出血を起こしたり、気付かないうちに病気が進行してしまうケースもあります。
特に注意していただきたいのは、「いつもと違う状態が続いている」という点です。
胃もたれや胃の重さが一時的に起こることは誰にでもありますが、2週間以上続く違和感や、食欲低下・体重減少を伴う場合は、身体からの重要なサインと考えるべきです。
内視鏡検査に不安を感じる方も多いですが、現在の胃カメラは以前に比べて格段に楽になっています。
短時間で終わり、早期の病変を見つけることができる検査です。
「何もなければ安心できる」
「もし異常があっても、早ければ対処できる」
このどちらも、早めに検査を受けた人だけが得られる安心です。
軽い症状のうちにこそ、胃の状態を一度きちんと確認しておくことをおすすめします。
まとめ
胃の不快感が続く背景には、単なる食べすぎやストレスだけでなく、慢性胃炎・逆流性食道炎・機能性ディスペプシア・胃潰瘍・胃がんといった病気が隠れている可能性があります。特に、症状が2週間以上続いている場合は、「一時的な不調」と判断せず、注意深く向き合うことが重要です。
胃の病気は、初期にははっきりとした痛みが出ないことが多く、「なんとなく重い」「食後に不快」といった曖昧な症状だけで進行するケースも少なくありません。そのため、症状の軽さだけで受診を先延ばしにすると、気付いたときには治療に時間がかかる状態になっていることもあります。
胃カメラ検査は、胃の粘膜を直接観察できる唯一の検査であり、炎症・潰瘍・ポリープ・がんの早期病変まで確認できます。早期に発見できれば、薬物治療や生活習慣の見直しだけで改善できる疾患も多く、身体への負担も最小限に抑えられます。
「まだ我慢できるから大丈夫」ではなく、
「今のうちに確認しておく」という意識が、将来の健康を守ります。
胃の不快感が続いているときこそ、体からのサインを見逃さず、早めに専門医に相談することが大切です。
1つでも当てはまる方は、早めの受診をおすすめします。
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「胸やけが続く」「便秘がひどい」「健診で異常を指摘された」など、少しでも不安があればお気軽にご相談ください。
当院では胃カメラは20歳、大腸カメラは30歳を過ぎたら一度受けることをおすすめしています。
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