食欲不振について
「なんとなく食欲がない」「食べたい気持ちはあるのに食べられない」―― 食欲不振は、体からの重要なサインです。
一時的な疲れやストレスで食欲が落ちることは誰にでもありますが、数日以上にわたって食欲が戻らない、体重が減ってきた、他の症状を伴うといった場合には、消化器系の病気や全身の疾患が隠れている可能性があります。
原因として考えられる主な疾患
- 胃炎・胃潰瘍・十二指腸潰瘍
胃の不快感や痛みが食欲の低下につながります。 - 胃がん・食道がん
早期には症状が乏しいこともありますが、食欲不振とともに体重減少がある場合は注意が必要です。 - 慢性胃腸炎・機能性ディスペプシア(FD)
検査で明らかな異常がなくても、胃の運動や神経のバランスの乱れによって食欲が落ちることがあります。 - 肝機能障害・膵疾患(膵炎・膵がんなど)
全身の倦怠感や消化吸収の異常から、食欲不振が見られることがあります。 - 大腸がん・炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎・クローン病)
腹部不快感や栄養吸収の低下により食欲が落ちることがあります。 - 全身疾患や心理的要因
うつ病、甲状腺疾患、糖尿病、感染症、薬の副作用なども関与します。
このような症状を伴う場合は要注意です
- 食欲不振が2週間以上続いている
- 体重が明らかに減ってきた
- 吐き気・胃の張り・腹痛がある
- 疲れやすい、顔色が悪い
- 便通異常(便秘・下痢・黒色便・血便)を伴う
当院で可能な検査
当クリニックでは、食欲不振の原因を消化器の観点から評価するための検査を行っています。
- 血液検査:貧血、肝機能、腎機能、栄養状態、感染症、腫瘍マーカーなどを確認
- 腹部超音波検査:肝臓、胆のう、膵臓、腎臓など内臓の評価
- 胃カメラ(上部消化管内視鏡):胃炎、胃潰瘍、胃がんなどの有無を確認
- 大腸カメラ(下部消化管内視鏡):大腸ポリープやがん、慢性腸炎の有無を評価
※CT・MRI検査は当院では行っておりませんが、必要に応じて適切な医療機関をご紹介いたします。
お早めにご相談ください
「年齢のせいかな」「食べたくないだけ」と放置せず、体のサインを見逃さないことが大切です。
特に高齢の方や、慢性疾患のある方は、早期に原因を明らかにすることが健康維持につながります。
当院では、内視鏡専門医が患者様一人ひとりに合わせた丁寧な診察・検査を行っています。
気になる症状がある方は、ぜひ一度ご相談ください。