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食道アカラシア

食道アカラシアとは?

食道アカラシアは、食道と胃のつなぎ目(下部食道括約筋)がうまく開かず、食べ物が胃にスムーズに流れない病気です。
通常、飲み込む動き(嚥下)に合わせて食道の筋肉が動き、胃の入り口が開くことで食べ物は自然に胃へ送られます。しかしアカラシアではその動きが障害され、食べ物が食道にたまってしまうのが特徴です。

どんな症状が出るの?

アカラシアの代表的な症状は以下の通りです

  • 食べ物が胸につかえる感じ(つかえ感)
  • 飲み込みにくい(特に固形物)
  • 食後に食べ物や液体が逆流する
  • 胸の痛み(非心臓性)
  • 体重減少、食欲低下

症状はゆっくりと進行し、逆流性食道炎と間違えられることもあります。

原因は?

はっきりとした原因はわかっていませんが、食道の神経系に異常が起こることが関係していると考えられています。
比較的まれな疾患ですが、30〜50代の方に多く見られる傾向があります。

診断と検査について

食道アカラシアは、内視鏡検査(胃カメラ)や食道造影検査、食道内圧検査などで診断されます。
胃カメラでは、食道が広がっていて、胃の入り口が狭く見えることがありますが、がんとの区別が重要になるため、専門的な評価が必要です。

治療方法は?

アカラシアの治療には、以下のような方法があります。

  • 内視鏡的治療(POEM:経口内視鏡的筋層切開術)
    内視鏡で筋肉を切開し、食べ物が通りやすくする治療。近年多くの施設で行われています。
  • 内服薬(硝酸薬やカルシウム拮抗薬)
    一時的に症状を緩和させますが、根本治療ではありません。
  • バルーン拡張術や手術治療
    症状が強い場合には、食道の通りを広げる治療を行うこともあります。

当院の対応について

当院では、「飲み込みにくい」「食道に違和感がある」「逆流がひどい」などの症状に対し、内視鏡検査による精密診断を行っています。
食道アカラシアは早期に正しく診断すれば、専門的な治療で大きく症状を改善できる病気です。
気になる症状が続いている方は、どうぞお気軽にご相談ください。